少子高齢化、生産年齢人口の減少。これらは、企業にとって「人財獲得競争の激化」を意味します。当社としても、経営上の危機として捉え、会社を挙げて全力で向き合うべき課題です。そして発足したのが、20代の若手メンバーを中心にしたこれまでの人財採用戦略をゼロから見直す「Welcome NUMAJIRI Project」です。今回は、採用活動の最前線で取り組む2人に話を聞きました。
PROFILE
日野 祐良(ひの ゆら)
2018年4月新卒で入社し、人事総務部人事課で新卒採用活動を担当。2020年3月より物流センターに異動。現場での経験を活かしながら、2021年2月より採用活動、社内研修、労務管理を務める。現在は、都内の大学訪問をはじめ、採用活動の範囲を広げるため積極的に取り組む。
勝田 詩織(かつた しおり)
2022年4月新卒で入社し、人事総務部総務課で広報物や支払業務を担当。同年12月には人事総務部人事課に異動し、採用活動に従事。2023年6月から東京本部の勤務となり、都内の大学訪問などを行い、学生の心に寄り添った採用活動を心がけている。
勝田 人手不足といっても、人数を増やすだけでは意味がありません。当社の理念・ビジョンに共感し、10年後の沼尻産業を一緒につくることのできる人財が必要です。そこで今回は、採用戦略サポートにおいて定評のある、株式会社Legaseed(本社:東京都港区、以下レガシード)を迎え、戦略設計から選考プロセスの最適化、当社の想いに共感してくれる学生を見つけるため、さまざまな知見を強化いたしました。そして、学んだのはこんな言葉です。
「人財採用とは、会社の未来を変え、社員の意識を変え、学生の人生を変え、社会や世界をも変える壮大なプロジェクト」会社はもとより、当の学生の人生、そして社会や世界の未来にコミットするという、人財採用の本質的な意義を知り、プロジェクトメンバーの気持ちは一気に高まりました。
日野 採用活動は、単に一緒に働いてくれるメンバーを集めることではなく、10年後、100年後の沼尻産業を見据え、“共に未来をつくることのできる人財” に出会うこと。あらためて、人財採用に対する意識が大きく変わりました。
勝田 新卒採用の意義や目的の明確化、採用活動の現状分析などを、あらためて刷新、ゼロベースで考え直しました。当社にマッチした人財を、「見極める」のではなく「共感づくり」の採用活動です。まずは、“当社が求める人物像” の設定です。
<MUST要件>
①チャレンジ…どんなことでも前向きに捉え、失敗を恐れずに挑戦できる人
②素直…他人の意見が自分の成長に繋がると理解し、受け入れられる人
③愛…家族や共に働く仲間に対して思いやりを持ち、協力できる人
<WANT要件>
①気づき…広い視野を持ち、何が必要かを察し、自ら即行動できる人
②好奇心…自分の成長に必要なことを、自ら学ぼうとする姿勢がある人
次に行ったのが、そんな“求める人物像”に響くキャッチコピーの検討です。これには多くの時間をかけましたが、意見がなかなかまとまりませんでした。それでも、これまでの誘いかけるような優しい言葉ではなく、“求める人物像” に響くのは、もっと強い意志を持った言葉のはずだと考え直しました。
そして生まれたのが、「流されるな、流れをつくれ。」です。
その意味するところは、就職活動中の学生が周りに流されず、自ら流れをつくり未来を切りひらこうとする強い意志と、その思いを当社が必ず実現できる企業であることを意味しています。
日野 「親から勧められた会社を…」「友達も受けているから…」そんな学生の声を聞くことは少なくありません。就職活動を進めるのは自分であり、最終的に決めるのも自分。重要な決断をするときは周りの意見に流されるのではなく、自分の意志をもって進んでほしいという思いがあります。
人生は「選択」の連続であり、必要なのは、“自らの選択を成功へ導く事”を最後までやり遂げる力ではないかと私自身もあらためて振り返る機会になりました。
日野 次の課題は、東京での合同企業説明会です。かつて結果を出せなかった、東京開催での苦い経験。ブースの前で「沼尻産業です!」と学生に声をかけても、誰も足を止めてくれない。本当に悔しい思いをしましたが、自分たちの実力を再認識する機会にもなりました。
そこで、新しい合同企業説明会資料の作成に取り組みました。これまでは一方的に沼尻産業を知ってもらいたいという気持ちばかりが先行していたのではないか。今の学生の気持ちに寄り添うとはどういうことか。初心に返り内容を練り直し、これまでの当社の事業紹介をメインにした説明から、物流業界そのものについて理解を深め、沼尻産業が社会課題と向き合い「まちづくり」「しごとづくり」「ひとづくり」を筆頭に物流を通じて地域の未来創造へチャレンジし続けている企業価値が伝わる内容へ大幅に変更しました。これにより物流業界をターゲットにしていなかった学生や茨城県にゆかりのない学生にも、当社の魅力を伝えることができました。加えて自身の就職活動の実体験も入れることで、説得力が増したと感じています。結果、ブースに座りきれないほどの学生が集まり、次のステージである当社独自の会社説明会へ申し込みを増やすことができました。自分たちの達成感もありましたが、何よりも学生の気持ちに寄り添うことの重要性を学びました。沼尻産業を知っている人や、地元で家から通えるなどを動機として、当社の選考に進む学生が多かったこれまでの印象から、経営理念や事業内容、社風に共感して選考に進んでくれる学生が増えたことを実感しました。
勝田 人財採用戦略をゼロから見直し、選考フローも一新しました。その中で私が特に印象に残っているステージは2つあります。一つ目は1stステージの会社説明会で行なう参加型の物流体感ワークです。これは、当社における重要なポイントや面白さ、チームワークについて伝えることのできるグループワークになっています。さらに、当社の創業精神“お客様の思いを乗せて大切に運ぶ”を肌で感じることができます。学生からは、「今まで経験したことがないようなワークで他のメンバーと協力しながらできて非常に楽しかった。」「物流の業務について具体的にイメージを持つことができた。」といった感想があり、当社へ興味を持って次の選考に進んでくれる学生も多くなりました。
二つ目は内定を勝ち取るためのラストミッションです。役員面接を経て合格した学生に入社にあたっての覚悟を固めてもらうと同時に、私たちもこの学生の人生を共に描いていく覚悟を持つ機会です。今後も学生の気持ちに寄り添うことを忘れず、より多くの方々に当社の魅力を伝えていきます。
日野 私が特に印象に残っているのは、2ndステージの業務体感ワークです。これは、ストーリーワークと呼ばれる、学生自身が当社で働く未来を疑似体感できるものになります。具体的には、営業、事務、配車などの業務をこなしながら、それぞれに起こりうる困難を乗り越えていくロールプレイングゲームのようなものです。この体感を通して、学生は当社での仕事が自分に合っているかを確認することができます。また、社員座談会も実施し、人事課以外の先輩社員と交流することで、不安や疑問点を解消することができます。
この選考を通過し次のステージへ進む学生からは、「業務体感ワークを通してより詳しく知ることができ、働くイメージをつけることができた。」という意見を多くいただきました。オンライン上ではありますが、業務を体感して働く未来を描くことで、入社後のミスマッチをなくすことができると思います。実際に採用フローを一新したことで選考辞退率の低下にもつながっています。
勝田 2024年4月1日、Welcome NUMAJIRI Project発足後、初の新入社員20名が入社しました。このメンバーは、沼尻産業の未来を共につくる大切な仲間、TEAM Numajiriの一員です。
日野 ゼロから採用戦略を見直したことで、より多くの学生に沼尻産業を知ってもらえたと感じています。学生にとって就職活動はこれから未来を切り開く大切な期間です。今後も学生の気持ちに寄り添って、新しい沼尻産業を共につくる仲間と巡り合えることを楽しみにしています。
2024年5月現在
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