

物流を軸に地域課題を解決する、沼尻産業の取り組み。入社15年目の河合直之は、株式会社エヌアイデイ(東京都中央区晴海1-8-10 晴海アイランドトリトンスクエアX棟29階)で物流の枠を超えて地域課題の解決にチャレンジしています。
PROFILE
河合 直之
2010年入社後にシステム部へ配属。社内システムの管理を担当、会社全体の業務の円滑化に尽力する、言わば縁の下の力持ち。2023年6月より「株式会社エヌアイデイ」へキャリアインターンシップ(出向)。人との関わりを大切にする性格でデジタル技術を活用し、地域活性化に尽力しています。
さらなる挑戦!
創業58年の歴史を持つ 株式会社エヌアイデイ(以下、NID)。システム要件整理・定義から、ソフトウェア設計・開発、ITインフラ設計・構築、保守、運用・監視まで、システムを通じた幅広いトータルソリューションを提供している東証スタンダードの上場会社です。
NIDへのキャリアインターンシップが決まったのは入社してから13年目のときでした。
当時の私は会社のシステム管理を任されてはいたものの、システム開発を行ったことはありませんでした。「システム開発などの根本的な部分について学びたい」と考えていましたが、どう行動を起こせばよいか分からず行き詰っていました。そんなとき社長から直接「NIDにキャリアインターンシップしてみないか」とお話をいただき、思ってもみないチャンスに心が躍りました。
システムを活用した地域活性化
現在担当しているメインプロジェクトは「いまちず」と「佐原のあしたPROJECT」です。
「いまちず」は地域やイベントの「いま」を伝えるデジタルマップです。リアルタイムな情報提供による観光体験の向上、観光客や来場者の安心・安全な回遊の促進、きめ細やかな情報提供による再来訪の促進を目的としています。
それを活用して企画・設計したものに「佐原の大祭MAP」があります。関東三大山車祭りの1つであり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている佐原の大祭に導入し、会場内を移動する山車それぞれにGPS端末を設置。リアルタイムで所在をデジタルマップに反映しました。また会場へ来られない人も楽しめるように、至近距離からの迫力満点な山車や出店の様子のLIVE配信をマップと連動させ、お祭りの雰囲気をお届けしました。
「佐原の大祭MAP」
佐原の大祭の山車
他にも栃木県のイベントや有益情報を発信しているInstagramアカウント (うきうきとちぎ)と一緒に「とちぎ子育て応援マップ」を手がけました。子供と楽しめるイベントや無料で遊べる公園などをInstagramの投稿と紐づけて制作。雰囲気や立地がわかりやすくなるため、行ったことのない場所でも足を運んでもらいやすくなりました。
「佐原のあしたPROJECT」は、NID創業の地である千葉県佐原を舞台に、挑戦する人の背中をそっと後押しする事業共創プロジェクトです。
プロジェクトの中心は、佐原で挑戦したい人を募集してのビジネスアイデアコンテスト。「地域のみらいはその一歩から」を合言葉に、各チームがそれぞれ考えた地域を元気にするプランを発表し、競い合います。その後、優秀なプランを発表したチームが実践へと進みます。
地域の様々な課題を伝統や地域資源、ネットワーク、デジタル技術を組み合わせて解決を目指しています。
第三回佐原のあしたPROJECT最終発表会
沼尻産業創業の地“つくば”へ
佐原での地域活性化プロジェクト成功を経て「つくばだったら何ができるのか」と考えるようになりました。そんな時、筑波大学生がつくばの魅力を発信するInstagramアカウント「TsukuBuzz」の投稿を偶然目にしました。その投稿には、「クーポン事業を始めたい」「グルメマップを作りたい」という内容が記されており、つくば生まれつくば育ちの自分にとって深い共感を覚えました。さらに、このタイミングでデジタルマップを手掛ける会社にキャリアインターンシップしている自分の状況を「運命」と感じ、これまでの経験を活かしてつくばで何か形にしたいという思いが強まりました。そこで上司に「つくばでグルメマップを作らせてほしい」と相談したところ、この挑戦的なアイデアに耳を傾け、後押ししてくれました。こうして「TsukuBuzz」の投稿から始まった偶然の出会いが、プロジェクト実現への大きな一歩となりました。
まず「TsukuBuzz」の運営者に連絡を取り、これまで手掛けた「佐原の大祭マップ」や「とちぎ子育て応援マップ」を紹介しました。その結果「ぜひ一緒にグルメマップを作りたい!」との依頼を受け、協力して「つくばグルメマップ」を完成させました。このマップは営業状況が一目で分かり、店舗詳細やSNS情報への簡単アクセスが可能です。また「TsukuBuzz」の投稿と紐づけられ、店舗の雰囲気も伝わるようになっています。特に、新しくつくばに引っ越してきた人や初めてのお店に入るのが苦手な方々からも好評で、「もっとつくばが好きになりました」という声が寄せられています。
「つくばグルメマップ」
その後「いまちず」の可能性をさらに引き出すために、以前つくばまちなかデザイン株式会社へキャリアインターンシップをしていた総務課の川根さんに連絡を取りました。川根さんはつくばの地域活性化に取り組んでいたこともあり、つくば観光コンベンション協会へ連絡をとってくれ、一緒にアイデアも考えてくれました。そして、つくば観光コンベンション協会の事務局長と面会する機会を得ました。「TsukuBuzz」と共同制作したグルメマップが高評価を受け、「観光マップも一緒に制作できれば必ず良いものができる!」という話になり、試験導入として「梅まつりグルメマップ」を制作することになりました。このマップでは梅を使った特別メニュー「梅食」、ご当地うどん「いばらき乙女のずるびきうどん」、梅香るスイーツなど春の味覚を楽しめる店舗情報が掲載されています。また、梅の開花状況をリアルタイム動画で確認できる機能も追加し、訪れる方々に快適な体験を提供しています。この取り組みは梅まつり公式サイトからも見ることができ、多くの人々に利用されています。
今回の取り組みを踏まえ、他地域への「いまちず」展開も視野に入れており、今後も新たな可能性を模索し続けます。
学ぶ楽しさと戸惑い
「システム開発などの根本的な部分について学びたい」という思いで新しい環境に飛び込んだ私ですが、当初は戸惑うことも少なくありませんでした。特にコミュニケーションスタイルの違いに驚く場面がありました。沼尻産業では「社員は家族」という考え方が根付いており、業務の相談だけでなく、休憩中には気軽に雑談を交わすといった雰囲気がありました。一方で、NIDではチャットツールを活用した効率的なコミュニケーションが中心で、対面での会話ではなくテキストベースのやり取りがほとんどでした。私自身は直接言葉を交わすことで親密さを感じるタイプなので、隣の人ともチャットで会話するというスタイルには衝撃を受けました。しかし、こうした違いは新しい働き方や文化を学ぶ良い機会だと捉えています。チャットを通じたやり取りには効率性や柔軟性といった利点も多く、今ではその良さを実感しながら日々の業務に取り組んでいます。
そんな日々のなかで周りの人たちと仲良くなるために、まずはしっかり挨拶と感謝を伝えることを心掛けました。当たり前ですがとても大切なことだと考えています。根気よく続けると、不思議なことに段々と対面の交流も生まれ、業務内容だけでなく雑談もしてくれるようになりました。先日は年下の子から「コミュニケーションが苦手なんですけど、どうしたらいいですか」と質問を受け、感慨深かったです。
また、業務内容にも戸惑ったことがあります。沼尻産業ではシステム保守や運用が中心でしたが、配属となったCX事業戦略部創発戦略室は、新事業の創出(企画・運営・営業)を担当しています。今までやったことのない「営業」という業務に怖気づく気持ちは大きかったです。しかし仲間に支えられながら多くのプロジェクトに挑戦し、成長することができました。「いまちず」のつくば進出の際には自分から営業し、企画・運用まで一括して任せていただけたことで自分の成長を実感できました。お客様から「つくば愛のある河合さんと一緒だからこそ、素敵なものを制作できました。」とお褒めの言葉をいただき、とても嬉しかったです。
CX事業戦略部創発戦略室の皆さんと河合さん
「沼尻産業を通してつくばをもっと愛されるまちにする」。
今後、キャリアインターンシップで学んだ企画・運営・営業のノウハウを活用し、沼尻産業のIT事業の発展に繋げていきます。
また、NIDで学んだ地域活性化・まちづくりの経験を生かせるような仕事がしたいです。現在沼尻産業には、キャリアインターンシップでまちづくりに尽力してきた社員が数多く在籍しています。そんな社員と力を合わせて、つくばをもっと活性化していきたいと考えています。
「物流を軸に、地域課題を解決する。」と掲げ、地域社会への貢献を重視している沼尻産業はこれまでも様々な地域貢献に尽力してきました。
それに加え、我々がキャリアインターンシップで学んだ知見を今まで以上に活かせれば、更に地元つくばへの恩返しをしていけると確信しています。
「システム開発などの根本的な部分について学びたい」という思いだけだった私でしたが、今回のキャリアインターンシップで広い視野を得ることができ、実感できるほどの成長を果たすことができました。それは私を受け入れてくれたNIDとチャンスをくれた沼尻産業のおかげです。
2025年3月現在
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