Friday Massage IsaoUeda

Friday Massage IsaoUeda

Friday Message

2025年8月22日

考え方

「京セラ」を創業し、KDDIの前身である「第二電電」を立上げ、経営破綻した日本航空の立て直しに尽力した稲盛和夫さんは、人材育成にも力を注ぎ、若手経営者の勉強会である「盛和塾」を立上げると共に、数々の著作も遺しています。

その稲盛さんの考え方の代表的なものが「人生の方程式」、即ち、

「人生・仕事の結果=考え方 X 熱意 X 能力」

というものです。

この内、「能力」と「熱意」は0から100点までのスコアで表され、その掛け算なので、能力があって努力を怠る人よりも、普通の能力でも熱意を持って努力する人の方が、素晴らしい結果を残すことがある、と説いています。

これに「考え方」を掛けますが、考え方とは「生きる姿勢」であり、マイナス100点からプラス100点までのスコアで表します。如何に能力が高く、熱意があっても、間違った考え方を持っていると、マイナスに大きな点数がつくことになりますので、人間としての正しい考え方を持つことがとても大事になる、ということです。

今から30年前に起こった「地下鉄サリン事件」は、オウム真理教の信者の中に、科学者としてとても有能な人材がいて、猛毒のサリンを開発することに成功した結果、発生したものでした。しかし、その能力と熱意がテロ行為に使われてしまうと、世の中に対してとんでもないマイナスの影響を与えてしまう、ということを考えると、「正しい考え方」を持つことの重要性と、「マイナスの考え方」の危険度がわかります。

稲盛さんは、プラスの考え方とは「良い心」であると述べています。「良い心」とは、常に前向きで、建設的であること。みんなと一緒に仕事をしようと考える協調性を持っていること。明るいこと。肯定的であること。善意に満ちていること。思いやりがあって、優しいこと。真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。利己的ではなく、強欲ではないこと。「足る」を知っていること。感謝の心を持っていること、などです。

逆に「悪い心」とは、後ろ向き、否定的、非協調的。暗く、悪意に満ちて、意地が悪く、他人を陥れようとする。不真面目で、うそつきで、傲慢で、怠け者。利己的、強欲、不平不満ばかり言う。人を恨み、人を妬むこと、などです。

どのような考え方をするか、というのは個人の自由ですが、その選択によって自分の人生、運命が決まってしまうということを理解している人は少なく、これほど重大なことなのに学校でも会社でも教えてくれない、と稲盛さんは言います。

稲盛さんが師事していた、中村天風先生は「人生は心ひとつの置き所」という言葉を遺しました。つまり、心の持ちようで人生は良くも悪くも変わる、ということです。

中村天風先生と稲盛和夫さんに共通している考え方は、「建設的に、ポジティブに、前向きに、明るい人生を考えなさい。暗い思いを持ってはなりません」というものです。それには、「宇宙霊」(宗教的にいえば「神様」と言い換えられます)は、明るく前向きな人が好きだから、というシンプルな説明がなされています。

これまでの経験から、それは信じるに足る、納得感のある説明であると考えています。

稲盛和夫さんの言葉:

「思いは必ず実現する。それは、人が「どうしてもこうありたい」と強く願えば、その思いが必ずその人の行動となって現れ、実現する方向に自ずから向かうからです。」

「常に明るさを失わず努力する人には、神はちゃんと未来を準備してくれます。」

- Friday Message

『Friday Message』について

このweekly messageは、前職で2006年4月に海外赴任した際、スタッフメンバーが米州各地に散らばっていたことから、「一つのチーム」としての意識を醸成するために始め、勤務地や仕事の内容が変わっても、変わることなく今日まで続けてきたものです。

テーマの多くは仕事全般に関することで、誰もが考えたり、疑問を持ったり、悩んだりするものを採り上げていますので、自分で何かを考え、自分なりの答えを出す時に、何らかの気づきやヒントになればと思います。

植田勲プロフィール

1983年4月
三井物産入社。ハーバードビジネススクールPMD修了。
米国三井物産副社長(物流DOO)、アジア太平洋州本部CAO、IT推進部長、ロジスティクス統括などを歴任。2020年三井物産流通ホールディングス(現三井物産流通グループ)社長。
2024年4月
沼尻産業に入社。常務取締役 事業統括本部長に就任。
2025年4月
専務取締役 事業統括本部長に就任。

Copyright © 沼尻産業株式会社 - 物流で人々を幸せに All Rights Reserved.